・ビラにみる候補者の資質

今朝の新聞折込で村井候補の長野県知事選挙法定ビラが配られてきました。
二枚目ですが、「金かけてるな」というのが率直な心象です。


一部の報道では、村井氏は選挙戦中盤に環境や福祉、経済など分野ごとに分けて公約を発表する予定で、具体的な政策論争に持ち込む構え、と言われていました。
・中日新聞 『序盤戦 見えぬ公約』


しかし、ビラには「私たち女性は、もっと暮らしを良くしたいと考えます」と、町の声が書かれている。
裏面(どっちが表か判らんが)には、市町村の名前がずら〜と並んでいる。
具体的な政策には、言及していない。


唯一、具体的といえば、「砂防関係予算」「治山事業予算」の年次ごとの推移がグラフにしてのせてある。
グラフの解説はなく、「治水・治山事業をおろそかにしない新しい県知事候補者を私たちは支持します。」
要するに、現職の田中知事は、治水・治山事業をおろそかにしていると暗に訴えるイメージ戦略。


グラフの推移を見れば、どちらの予算も年度を追うごとに減っているので、
 『予算が減る=事業がおろそか』
の図式が当てはまると考えられなくもない。


しかし、賢明な県民なら???と気がつく。
長野県は、コンクリートのダムに替えて、緑のダムに予算を振り替えている。
ここで言うところの砂防事業とは、土石流危険渓流への砂防えん堤の整備を意味している。
すなわちコンクリートダム予算のことだから、減っていて当たり前。


治山事業の方はというと、村井氏に都合の良い数字の解釈が目立つ。
18年度は8400万円と、ごく僅かだと表現しているが、実態は大違い。
田中知事の天敵の一人である市長が治める長野市にさえ、
18年度に2億6千万円、19年度以降は19億6千万円の事業を予定している。


いやしくも、次の知事を狙っている候補が、県の事業を矮小化して県民に伝えて、選挙に利用しようとする姿勢は、知事としての資質を疑わせる。
街頭演説で嘘の数字をならべるよりも悪質です。


村井候補には、田中県政を体系的に捉えて、正論で対抗してもらいたい。
このビラは、実態を隠して有利に導こうとする消費者金融の広告を思わせる。
元防災担当大臣として防災のプロを自認するならば、ビラに見られるような、数字を演出した戦術に出るような姑息な真似は決してしてはならない。


村井氏は、「天の戒め」と表現して被災者の心を傷つけたり、防災事業の県の評価をおとしめるなど、
豪雨災害の利用のしかたがあまりにも露骨で、人間性を疑われても仕方がない。
県民の信頼を得るには、弱者を思いやる心と、嘘をつかない正直な人柄を見せる必要があります。
本日、飯田市で行われる合同個人演説会で、人物をとくと拝見してこようと思います。


もちろん田中候補の生の声を今回の選挙戦ではじめて聞く機会ですから、こちらの発言にも要注意です。