リチウムイオンバッテリーは14℃超で劣化

関東一周千キロの旅でリーフのバッテリーに関する新たな発見がありました。
走行用のリチウムイオンバッテリーは劣化に温度特性がある。


※縦軸(左):電池温度℃、縦軸(右):Hx、横軸:走行距離km

グラフ内の桃色は電池温度概ね14℃以下の領域です。
Hx(バッテリーの健全性)が全く変化しません。
概ね14℃を超えると劣化(一部で再生)します。

昨年の経験から、冬の間はバッテリーの劣化が止まると判っています。
しかし詳細なデーターを記録していなかったので、しきい値が明確になっていませんでした。
今回、寒さの厳しい信州から温暖な房総まで足を伸ばしたことで、電池温度と劣化に関するデーターを得られました。

リーフのリチウムイオンバッテリーが劣化する条件は、
●電池温度が概ね14℃を超え、かつSOCが40%を超える
に限られています。

信州の冬は、昼間の気温が10℃を超えることはほとんどないので、日常ではリーフの電池温度も14℃以下です。
このために劣化が止まっていました。

しかし、温暖な関東へロングドライブに出かけたことで劣化域に入ってしまい、一気に劣化が進行しました。
「寒いから暖かいところへ出かけよう」はリーフにとっては良くなかったようです。

なぜ、このような劣化特性になっているのか不明ですが、化学的な劣化でないことは、走り方を変えると再生現象に移行することから明らかだと思います。
組電池の制御上の障害だと考えています。
MC前のリーフで劣化が早く、MC後では比較的緩やかなのは、組電池制御が改善されたからではないでしょうか。

経年変化による化学的な劣化は受け入れますが、制御の優越による見かけ上の劣化はメーカーの責務として改善に前向きになって、サービスキャンペーンの一つとして欲しいと思います。